中国の端午節 由来になった伝説の男とは
「端午節」という日を聞いたことはありますか?
日本にも似たような祝日がありますよね。そう、5月5日の端午の節句です。
端午節は中国の休日で、旧暦の5月5日がその日にあたります。
日本と同じように男の子のお祝いをするのでしょうか?
日本と同じかと思って調査したところ、全然違う事がわかりました。
違うどころか、何故端午節をやるのか、何故ちまきを食べるのか、何故ドラゴンボート競技が開催されるのかなど、様々な歴史の謎が紐解けてしまいました。
端午節ってとても奥が深いです。中国4000年の歴史を垣間見るようでした。
この記事では端午節について、由来や歴史を含め、この日には何をするのかに関して、ちまきやドラゴンボートの話を絡めながらお伝えしたいと思います。
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端午節とは?
「端午節」は、「春節」と「中秋節」に並んで、中国の三大伝統節句のうちの1つです。
「端陽節」、「重午節」とも言われます。
旧暦の5月5日にあたります。
2015年の端午節は、6月20日です。
法定定休日はこの1日のみですが、この日を含めて3連休になります。
端午ということで、日本の端午の節句と関係がありそうです。
ということは、男の子をお祝いする日なのでしょうか?
実はそれは間違いです。
これは、誰かをお祝いしたり、何かを記念する日ではなく、中国の節句の1つに過ぎないのです。
節句というのは、季節の節目の事です。
節句には、体調を壊したり、病気になりがちなので、お祓いをする行事の事でもあります。
端午というのは、5月初めという意味をもちますので、5月初めの季節の節目が端午節という事です。
しかし、端午節の始まりは伝説の男が引き起こした紀元前278年5月5日の衝撃的な出来事が関係しています。
これは、次の「端午節の由来や歴史」で説明します。
端午節の由来や歴史
端午節の初まりは、「楚(そ)の国」の忠臣な政治家であり、中国古代の偉大な詩人だった屈原(くつげん)に由来します。
屈原は、自国が「秦(しん)の国」に騙され自国が狙われているのを察知したため、「斉(せい)の国」と協力して、「秦(しん)の国」を滅ぼそうとする策を国王に進言しましたが、受け入れられませんでした。
それどころか、なんと、屈原は、左遷されてしまいます。
そして、旧暦の紀元前278年5月5日に「楚(そ)の国」は「秦(しん)の国」に攻め落とされたという事を聞いた屈原は自分の至らなさに嘆き、将来を悲観し、汨羅(べきら)という川に身を投げました。
ここからが凄いんです。
屈原は、詩人としても有名で、「楚(そ)の国」の国民からも人望が厚かったため、人々は、この話を聞くとすぐに屈原を救おうと川を船で一斉に捜索に向かったのです。
屈原を魚から守ろうと、「競って船から笹の葉にくるんだ餅を川にまいたり、太鼓をたたいて魚を追い払い、そのしかばねをすくった」と言われています。
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これが、5月5日に「ちまき」を食べるきっかけや、「ドラゴンボートレース」が開催されるきっかけとなり広まって行きました。
実際には、中国では、屈原が川に身を投げるもっと以前から、5月5日は凶とされており、ヨモギを刺したり、菖蒲(しょうぶ)を掛けたりして厄除けをする風習はあったようです。
5月になると急に暑くなり、疫病がはやったり毒蛇が出て毒で亡くなったりした事から、外的から追い払う目的もあったようです。
偉大な詩人の屈原の衝撃的な出来事と日付が重なり、時代の変化とともに屈原という伝説の男の出来事が由来という事になったのではないでしょうか?
この方が楽しいし面白いですしね。
端午節には何をするのか?
中国では古来より、端午節には、厄除けのために薬草を摘み、鮮やかな色彩の絹糸を肩に巻きつけて病を避けます。
また、家には厄除けの効果があるとされる蓬で作った人形を飾ったり、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入ったりします。
もちろん、ちまきも食べます。このあたりは、日本とも深い共通点を感じますね。
そして、ドラゴンボート(龍舟)のレースが開催されます。
毎年端午節の時期になると、台北や香港、そして台湾などでドラゴンボートのレースが開催され、多くの観客が集まる一大イベントとなります。
このイベントは中国国内のみならず、日本をはじめとする海外にも飛び火し、今では欧米諸国でもレースが行われています。
そしてこちらが、端午節のボートレースの様子になります。船首がドラゴンになっていて魚を脅したり、太鼓をたたいて魚を追い払う名残があるのがわかります。
たくさんの人が集まって、レースの様子を見に来ます。
皆から愛されているイベントですが、屈原の伝説物語を知ると深みが増しますね。
まとめ
端午節とは? 中国の祝日 のまとめです。
- 「春節」と「中秋節」に並んで、中国の三大伝統節句のうちの1つ
- 旧暦の5月5日にあたる
- 2015年の端午節は、6月20日。6月20日~22日の3連休
- 端午節は、「楚(そ)の国」の政治家、詩人だった屈原(くつげん)に由来
- 実際はそれ以前から5月5日には、厄除け、厄払いの風習があった
- 端午節はこんな事をする
-厄除け、厄払い
-ちまきを食べる
-ドラゴンボートレースが開催
いかがでしたでしょうか?
日本で祝われる端午の節句の起源が中国にあっただなんて、驚いたという方も多いのではないでしょうか。祝い方はずいぶん日本と違っています。
しかし、厄払いや、菖蒲湯など、同時に多くの共通点も見られるため、なんだか中国に対して親近感が湧いてきます。
屈原という政治家であり詩人であるこの男は、皆から愛され人望が厚く、国民まで巻き込んで伝説となったのはとても興味く思います。
また、「ちまき」を食べたり、「ドラゴンボートレース」の開催の習慣となった出来事とは知りませんでした。
端午節は、季節の変わり目に対する警告と中国の英雄物語が混じっていてとても面白い由来でした。
端午節に中国に行くとまた違った風習に出会えたり、お祭りの雰囲気を楽しめていいかもしれませんね。
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