ベテランズデー　11月11日　アメリカの祝日

「ベテラン」は「熟練者？」

と思い浮かべてしまいますが、英語のベテランはどちらかと言うと一般的には「退役軍人」を指します。退役軍人とは、現役を引退した軍人や一般人などで戦争の時に軍隊に参加する職務を引退した人（予備役）の事をいいます。

「ベテランズデー」は、「復員軍人の日」と訳されています。「ベテランズデー」（復員軍人の日）は日本ではなじみがない祝日ですが、アメリカ合衆国では良く耳にしますので、どのような祝日や背景があるのか調べてみたくなりました。

今回は、アメリカ合衆国の「ベテランズーとは？」、「ベテランズデーの歴史」、「ベテランズデーには何をするか？」について簡単にわかりやすくまとめました。参考にしていただければ幸いです。

ベテランズデーとは？

ベテランズデーとは、アメリカ合衆国の祝日で、アメリカ合衆国のために戦争で戦った退役軍人の方たちに対して感謝、敬意を表する日です。毎年11月11日です。

5月にあるメモリアルデーは、アメリカ合衆国のために戦争で戦って戦死した軍人に対して敬意を表する日であるのに対して、ベテランズデーは、戦死又は、生存する退役軍人の両方が対象だが、特に生存する退役軍人に感謝を示すという事です。

ベテランズデーの歴史

もともと11月11日は、1918年に連合国とドイツの間で第一次世界大戦交戦を終え、休戦に調印した記念日（休戦記念日）でした。休戦記念日は翌年の1919年の11月11日に初めて祝われました。終戦記念日には、パレードや集会、そして午前11時に2分間の黙とうがされました。戦争で亡くなった身元が確認できない兵士たちは、ワシントンDCのアーリントン墓地に埋葬されました。休戦記念日は1938年には正式に休日となりました。

休戦記念日は1938年に正式休日になりましたが、その後に勃発した1939年~45年の第2次世界大戦や、1950年~53年の朝鮮戦争での大量の軍の動員の影響の結果、今までの休戦記念日という名前はそぐわなくなり、退役軍人組織からの強い働きかけも手伝って、トワイト・アイゼンハワー大統領は、1954年6月1日に休戦記念日を「ベテランズデー」（復員軍人の日）に変更しました。

1968年にはハッピーマンデー制という月曜日を休日にして3連休にするという制度の導入があり、ベテランズデーは休日変更の対象となりました。1971年には、ベテランズデーは10月の第4月曜日に設定されました。10月第4週目のベテランズデーは1977年まで続きました。毎年ベテランズデーの日が変わってしまう事は大勢の人に混乱を起こし、とても不評だったため、ジェラルド・フォード大統領によって、11月11日に戻す決定がされました。こうして、ベテランズデーは、1978年から再び11月11日になりました。

現在、11月11日が土曜日にあたると、前日の金曜日が振替休日に、11月11日が日曜日にあたると翌月曜日が振替休日になります。

ベテランズデーには何をするのか？

ベテランズデーには、全米各地でパレードや式典が開催されたり、アメリカ合衆国国旗が半旗で掲げられます。午前11時には2分間の黙とうがあります。この日に開催される有名な物を2つ紹介します。

アーリントン墓地での記念式典

ワシントンDCのアーリントン墓地の無名戦士の墓で記念式典が開催されます。アメリカ合衆国大統領や閣僚達も参加し、大統領は退役軍人を慰労するスピーチを行います。式典の様子はTVで中継されたり、ニュースで放送されます。

アメリカズパレード

ニューヨークの5番街では、アメリカズパレードという、大規模なパレードが開催されます。毎年2万人以上の参加者が行進し、観光客も50万人以上です。

まとめ

ベテランズデー　11月11日　アメリカの祝日　のまとめです。

• アメリカ合衆国のベテランズデーとは、
  -アメリカ合衆国の祝日
  -アメリカ合衆国のために戦争で戦った退役軍人の方たちに対して感謝、敬意を表す日
  -毎年11月11日
• もともとは1938年に「休戦記念日」として制定
• 1954年に「ベテランズデー」に変更
• 1971-1977年まで10月の第４月曜日に変更
• 1978年から11月11日に不評のため戻された
• この日には、全米各地で退役軍人を称えるパレードや式典が開催される

いかがでしたでしょうか？

もともとは、日本の休戦記念日（9月15日）と同じような日だったのですね。戦争に参加する事が多いアメリカ合衆国ではベテランズデーは一般的になる事が理解できました。

戦死せずに退役軍人となって生き続けられるのは嬉しい事ですが、戦争で受けるストレスは相当の酷い物のようで、手厚いケアを施してあげて欲しいのと、どうしても早く戦争がなくなって欲しいと思ってしまいました。