コロンブスデー アメリカ大陸を何故インドと勘違いした?
公開日:
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最終更新日:2018/11/23
アメリカ
コロンブスが新大陸を発見!?
新大陸はアメリカだった。と学校で習った記憶があります。しかし歴史が紐解けて行くにつれ、これは間違いだったという事実が明白になりました。
では、アメリカ合衆国の祝日になるほどコロンブスは偉大だったのでしょうか?なぜ、アメリカを発見したのにインドを発見したと勘違いしたのか?
また、コロンブスデーは、現在では、祝日の存在自体が物議をかもしており、純粋に喜べない祝日でもあるようです。そんな不思議で、意味深なコロンブスデーを調べてみる事にしました。
今回は、コロンブスデーとは?なぜ、アメリカ大陸をインドと勘違いしたのか、アメリカ大陸は誰が発見したのか?など、コロンブスデーの歴史をまじえながら、この日には何をするのか?について、わかりやすくお伝えしてきます。
無知がもたらした勘違いもあり、面白い歴史的事実が分かります。
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目次
コロンブスデーとは?
コロンブスデーとは、アメリカ合衆国の祝日の1つです。
イタリア人のクリストファー・コロンブスが1492年10月12日にヨーロッパ(スペイン)から航海して初めてアメリカ大陸に到着した事を記念する祝日です。
毎年10月の第2月曜日で、2015年は、10月12日です。
コロンブスデーの歴史
コロンブスデーというと、コロンブスが新世界(アメリカ大陸)を初めて発見し、多くのヨーロッパ人が北アメリカに移住し、アメリカ合衆国建国の礎を築いたとされてきました。
もともとコロンブスの航海の目的はスペイン国王の指示の元、インドや中国への航路を発見する事でした。この当時は、太平洋やインド洋の存在が知られてなかったようで、笑い話のようですが、ヨーロッパから大西洋を西に航海すると、中国やインドのなどのアジア諸国に到達すると考えられていた背景がありました。
実際、コロンブスが1492年10月12日、最初に到着した場所は、バハマ諸島グァナハニ島で、肌の色から、ここをインドと勘違いし、先住民達をインディアンと呼びました。その後、キューバーに到達し、ここを中国本土と勘違いし、また、その後に発見したイスパニョーラ島を日本と勘違いしたようです。コロンブスがアジア諸国ではないと気付いたのは、何度か航海した後のようです。まさに、無知がもたらした面白い歴史的事実です。
コロンブスは最初の航海の成果として、金やスパイスや奴隷を持ち帰りました。コロンブスの航海によって、アメリカ大陸の存在や豊富な資源がある事がスペイン国王、およびヨーロッパ各国に認知させる結果となり、これがきっかけで南北アメリカ大陸への探検と植民地化が急速に進んで行きました。
アメリカ大陸の植民地化の初期は、スペインとポルトガルが中心となっていました。スペインはカリブ海の諸国から、メキシコや北アメリカへ、ポルトガルは、南米の現在のブラジルへ植民地を広げていきました。これが現在、これらの国で公用語となっている歴史的背景のようです。16世紀に入って、多くのヨーロッパ諸国はアメリカ大陸の植民地化を加速して行きました。
ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸への植民地化は、言葉を変えると先住民(インディアン)への侵略と支配、紛争や文化の絶滅や奴隷化などをもたらす結果となりました。さらに、ヨーロッパ諸国から、天然痘(てんねんとう)、チフス、インフルエンザ、ジフテリア、はしかなど、多くの疫病を持ち込んでしまい、ほとんどすべての先住民達が絶滅する結果にもなりました。
最初にコロンブスデーが祝われたのは、1792年です。コロンブスがアメリカ大陸に航海してから300年後です。1892年には、ベンジャミン・ハリソン大統領によって、400回目の記念日を祝おうという宣言をしました。1937年には、フランクリン・ルーズベルト大統領によって、正式に10月12日を祝日にする決定をしました。ハッピーマンデー制により、現在は、10月の第2月曜日がコロンブスデーとされています。
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは間違い
コロンブスデーというと、コロンブスがアメリカ大陸を初めて発見し、多くのヨーロッパ人が北アメリカに移住し、アメリカ合衆国建国の礎を築いたとされてきました。
しかし、コロンブスがアメリカ大陸を発見したというのは間違いです。
コロンブスが到着した時は、すでに先住民がいました。彼らは1万2000年も前から住み着いていると考えられています。誰も住み着いていない場所を見つける事が発見なので、明らかにアメリカ大陸発見は間違いです。
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ヨーロッパ人としては、コロンブスが到着する前に1,000年頃にスカンジナビアのレイフ・エリクソン達が到着していたとする説が有力です。
なぜ、最初から新大陸発見は間違えだったのに修正しようとしなかったのかですが、個人的な考えでは、「新大陸発見」=「新しい植民地化できる場所発見」という当時の政治的な意図や目的が背景にあったからだと思います。
コロンブスデーが物議をかもしている理由
コロンブスデーは、アメリカ合衆国の祝日ですが、アラスカ、ハワイ、ネバダ州など、17の州で祝日と認めていない州が存在しています。
理由は次の通りです。
- コロンブスが新大陸(アメリカ大陸)を発見する前から先住民が存在していた
- 先住民に対する支配、文化の絶滅を許す事になる
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは歴史的には間違いであるという事である。このため、「コロンブスデー」ではなく、「アメリカ先住民の日」に変更する嘆願書が提出されたり、2014年にシアトル州のシアトル市では、実際にそうする議案が可決されました。
また、コロンブスがアメリカ大陸を発見したのがきっかけとなり、先住民の土地を奪い、植民地による支配、文化を絶滅に追い込んだ歴史的事実がありますので、各地で抗議運動や反対運動が出ているのも事実です。
このように、コロンブスのアメリカ大陸の発見は、アメリカ建国の礎となったように、歴史的に大きな出来事でしたが、複雑な背景があるのが実情です。
コロンブスデーには何をするのか?
コロンブスデーに対しては人により様々な解釈があるので、何をするかは変わってきます。
ニューヨークのパレード
コロンブスデーのニューヨークの5番顔のパレードは有名です。
アメリカ大陸の発見と到着を祝ってパレードが行われます。イタリア系アメリカ人が1866年にパーティーを開催したことから始まり、コロンブスアベニューには、コロンブス像もたてられています。多民族が集結するニューヨークならではのイベントだと思います。
セール等が開催
多くのお店でセールが開催されます。
何かにちなんでセールは開催されますが、コロンブスデーセールもその1つです。土曜日から月曜日まで3連休になりますので、この日にちなんで、セールなど、祝日の名前にちなんだイベントが開催されます。
先住民の文化を伝える日
10月第2月曜日は、「コロンブスデー」ではないにしても「アメリカ先住民の日」で休日になります。
先住民にとっては、文化を絶滅に追い込まれた歴史的事実がありますので、純粋に喜べる日ではない方も大勢いらっしゃいます。抗議イベントやパレードが開催される地域もあります。ただ、先住民を称えるために、先住民のダンスを披露したり、文化を伝えるイベントが開催される地域もあります。とてもセンシティブな祝日である事は間違いありません。
まとめ
コロンブスデー アメリカ大陸を何故インドと勘違いした? のまとめです。
- コロンブスデーは、アメリカ合衆国の祝日の1つ
- コロンブスが1492年10月12日にスペインから航海して初めてアメリカ大陸に到着した事を記念する祝日
- 毎年10月の第2月曜日
- 2015年は10月12日
- コロンブスの航海の目的はインドや中国への航路を発見する事だった
- コロンブスが最初に到着した場所は、バハマ諸島グァナハニ島で、ここをインドと感違いした
- インドと勘違いしたのは、
-当時大西洋を西に渡るとアジア諸国と思われていた
-グァナハニ島の住人の肌の色から - コロンブスがアメリカ大陸を発見したのは間違い
- 先住民が12000年前から居住している事実がある
- コロンブスの航海の結果、先住民を支配し、文化を奪った事実があり、多くの人にとって喜ばしい祝日ではない複雑な背景がある
- コロンブスデーは次の事が行われる
-ニューヨークでパレード
-セールが開催
-先住民の文化を伝えるイベント等
いかがでしたでしょうか?
コロンブスはアメリカ大陸を発見したというのは嘘のようですが、コロンブスのアメリカ大陸への航海の結果、その後、南北アメリカの各国の設立に良い意味でも悪い意味でも多大な影響を与えたのは事実です。
ただ当時、太平洋の存在が認知されていなかったり、カリブ海のバハマ諸島をインドと勘違いしたりと、適当な地理感であったという事実と、それでも航海してスペインに戻る事が出来たのは優れた航海技術があった事がわかります。
また、現在、何故、キューバやカリブ海の諸国はスペイン語が多く話されるのか、ブラジルはポルトガル語なのかこのような歴史的背景が知れて勉強になりました。
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Comment
誤記の指摘です。下から二段落目の最後、
「が出来たのは優れた紅海技術があった事がわかります。」
の部分、「紅海」ではなく「航海」の間違いですね。