高級チョコを美味しく味わうには
お正月が終わると、デパートやコンビニやスーパーのお菓子コーナーでは、とある商品が充実してきます。
何だか分かりますか? それは「チョコレート」です。
バレンタインシーズンになると大規模な特集が組まれたり、特設コーナーが設置されたり、チョコレート専門店には長い行列が、なんて光景もみられます。
1粒数百円以上もする高級チョコレートよりも手頃な価格で買える安い市販のチョコレートの方が普段は身近に感じられますが、この時期は、馴染みの少ない高級チョコレートも食べる機会が増えることでしょう。
しかし、高級なチョコレートは味が難解で、普段食べている安くて市販のチョコレートの方が美味しいと感じてしまう方は多いのではないでしょうか?
もし、高級チョコレートは美味しいと感じられる食べ方があれば試してみたいと思いませんか?
今回は、高級チョコレートと安い市販のチョコレートとの差は何なのか?高級チョコレートを美味しく味わうコツなどをお話しして行きます。
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目次
高級チョコと安い市販のチョコの違い
高級チョコレート店を覗いてみると、どれもオシャレで美味しそうなチョコレートが並んでいます。
買おうかな~、なんて値段をみているとビックリ。3粒入りで1000円もするじゃないですか。板チョコが100円程度で買える事を考えるとかなり高いです。
どうしてこんなにも値段の違いがあるのでしょうか?
高級チョコレートと安い市販のチョコレートの違いを説明していきます。
成分
まず、高級チョコレートと市販のチョコレートでは「構成される成分」に違いがあります。
チョコレートの基本的な構成成分は、「カカオマス」と呼ばれるカカオ豆を焙煎し粉砕加工したものに、「砂糖」、カカオマスからとれる脂肪分「カカオバター」を加えたものです。
このうち、「カカオバター」は、チョコレートの風味や味わいを出す大きな要素のうちの1つですが、顕著に違うのはこの含有量です。
CODEX国際規格2.1.1による「チョコレート」の規定は、「総カカオ固形分35%以上、カカオバター18%以上、無脂カカオ固形分14%以上」です。
高級チョコレートには、「カカオバター」が31%以上も含まれている物があります。
一方、日本では独自に「チョコレート規格」をもっています。
同じ「チョコレート」でも、安い市販の板チョコの「カカオバター」の含有量は、規定から読み取ると、「10.8%以上」あれば良い事になります。
カカオバターの変わりに一般的には植物油脂が使われますが、成分は多い順に書かれますので、植物油脂の方が多く入っている事があります。この場合、植物油脂は10.8%より多く入っていると読み取れます。
このように、「カカオバター」の含有量は、高級チョコレートの方が市販の安いチョコレートより多いという点が違いとしてあります。
品質
高級チョコレートは、ほとんど、カカオ豆の原材料そのものだけで作られますので、これだけでも高価な物になります。
各高級チョコレートメーカーは、さらに、自社で直接産地に出向き、自ら高品質なカカオ豆を厳選したり、香りや風味の異なるさまざまな産地のカカオ豆を買い付けたりしています。
また、販売された「クーベルチョコレート」というチョコレートの原材料となるものからチョコレートを加工して作るのではなく、カカオ豆の状態から自社でチョコレートを作って行くため値段が高くなってしまうのは当然といえば当然なのです。
職人技やブランド
チョコレート職人の技やブランドといった付加価値がつくことで、さらなる独自な芸術性と希少価値が高まります。 まさに、匠の技というわけです。
これにより、1粒数百円以上とするチョコレートが出来上がるという訳です。
工程
また、チョコレートをつくる製法にも芸術要素が詰め込まれています。
一般的にチョコレートを冷やし固める工程を「テンパリング」と言いますが、チョコレートを作る上で、最も困難で重要な工程の1つです。
この時、ココアバターを固める時の結晶の作り方で大きく、風味や香りの出方が異なります。
ここに、各社独自のノウハウがあり、手作りで少量しか作れないなどの制約があったり、チョコレートを美味しくするエッセンスがいっぱい詰まっていたり、日々研究してチョコレート作りに生かしているようです。
安価な市販のチョコの特徴
一方、日本で市販の安いチョコレートの場合は、カカオバターではなくカカオバターの代用油脂として、安価な植物性油脂が多く使用されていたり、チョコレートの主成分であるカカオマスよりも砂糖が多く含まれていたりします。
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もちろん、大量生産のために、カカオ豆などは高級チョコレートのように厳しくは厳選されませんし、いかにチョコレートの美味しさを保ちつつ、安く、保存方法も容易な事を主眼において作られます。
日本でカカオバターの代用油脂として使われる植物性油脂ですが、これは安価なだけが理由ではなく、日本独特の事情があります。
日本は、夏場には高温になり、多くの地域で30℃以上になりますが、「チョコレート」に含まれるカカオバターは30℃前後で溶け始めます。
このため、日本でCODEX国際規格に準拠したチョコレートを作ると、保存するために冷蔵庫などが必要になってしまうのです。これは、売る側からすると現実的ではありません。
一方、植物性油脂ですが、溶け出す温度は35℃以上になるように調整されている物が多く、暑い日本でも冷蔵庫なしに店頭で販売できます。
日本の市販の安いチョコレートは、食べても美味しいので、ここに日本ならではの努力と技術の結晶があるというわけです。
食べる前に注意する点
値段も成分も違う高級チョコレートと市販の安いチョコレートですが、適した保存方法はいつも迷ってしまうのではないでしょうか?
溶けてしまうから冷蔵保存?それとも常温のまま置いておいた方がいいのか。ポピュラーなお菓子ですが、意外と分からないものです。
基本的に、チョコレートというものは冷蔵冷凍をしない方が美味しく食べられるようです。
チョコレートを食べる時の適温は、20℃前後(18~22℃)と言われています。
本来の風味や口どけを楽しむのであれば、「常温のまま早めに食べる」というのが一番だと専門店の方もおっしゃっていました。
常温というのは、医薬品などの規定では15-25℃の事を言います。
と言われても、環境の温度変化は激しく管理できませんよね。
夏などの暑い時期は特に難しく、「ガナッシュ」や「生チョコ」など柔らかく溶けやすいチョコだと常温のまま置いておくのは不安です。冬場は、部屋に保存で良いと思いますが、夏場のそんな時は迷わず冷蔵保存してしまいましょう!
確かに味は落ちてしまいますが、冷蔵庫から取り出してすぐ食べるのではなく1時間~2時間位置いてから食べることで本来の味に近づける筈です。
腐らせる、なんてことは滅多にないと思いますが、特に高級チョコレートは賞味期限が1~2か月程度の短い物が多いのでご注意ください。
高級チョコを美味しく味わうポイント
チョコレートを美味しく食べる為に一番大切なのが温度です。
ですので「常温」(15℃~25℃)というのがひとつのポイントになります。厳密に言うと、20℃前後(18℃~22℃)の温度が一番良いとされます。
高級チョコレートが市販のチョコレートと大きく成分が違うのは、「カカオバター」の含有量なので、ここの特徴に着目するのが、高級チョコレートを一番美味しく味わうポイントです。
「カカオバター」の1番の特徴は、20℃前後では、「パリッ」するような爽快な噛みごたえがあるのですが、口に入れて30℃前後になった途端に急激に溶け、口の中に甘味や苦みや香りが一気に広がり、チョコの粒子と一緒に滑らかな舌触りが味わえる作用がある事です。
高級チョコレートの醍醐味は、このチョコレートが溶ける瞬間を味わう事です。
これは、ゆっくり融ける特徴をもつ植物油脂では実現が難しい芸当です。
ただ、高級チョコレートだとしても、冷蔵庫で冷やしたままですと、口の中に入れても温度が低すぎてゆっくり融けて行くため、この高級チョコレートが出す一瞬の芸術は味わえません。
つまり、食べる前の温度はとても大切という事です。
まとめ
高級チョコを美味しく味わうには のまとめです。
・高級チョコと市販の安いチョコの違いは
-成分:高級チョコはカカオバターの含有量多
-品質:高級チョコはカカオ豆厳選
-職人技やブランド:高級チョコはチョコレート職人の匠の技やブランド力
-工程:独自の製法のノウハウがある
・日本は夏場高温になるため、溶けにくい植物油脂を使う事情がある
・食べる前に注意する点は
-保存温度は極力常温(15℃~25℃)で
-夏場は、冷蔵庫にしまいましょう
-食べる前に適温の20℃前後(18-22℃)に戻す事
・高級チョコを美味しく味わうポイントは
-食べる時のチョコの温度が適温の20℃前後(18-22℃)の事
-チョコが溶ける瞬間を楽しむ
いかがでしたでしょうか?
口どけや風味、味わいや舌触り、職人の技がひと粒にぎゅっと詰まった高級チョコは繊細ではありますが、この一瞬のために全てが詰まっているという事です。
むろん、値段の差が味の差に繋がっている、と一概には言えませんが、せっかくの高級チョコレートなので、1粒1粒に込められた手間と、美味しく味わえるポイントを意識してみると、違いが分かってくるのではないでしょうか?
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