メモリアルデーとは？　アメリカの休日

「メモリアルデー」というアメリカの祝日をご存知でしょうか？

毎年5月末になると、アメリカは「メモリアルデー」でお休みと言う言葉をあちこちで聞くようになります。

メモリアルと聞くと「思い出の」とか、「何かを思い起こす」などと訳せますが、確かにそういう意味を持った日である事は間違いありません。

日本では馴染みがあまりない日ですが、アメリカ人にとっては、とても意味がある祝日の１つです。

ただ、深く掘り下げてこの日の歴史などは知りませんでしたので、どれだけ意味がある祝日なのか詳しく調べてみる事にしました。

今回は、アメリカの祝日のメモリアルデーとは何か？歴史や背景は？アメリカ人はこの日には何をするのかについてお話していきます。 

メモリアルデーとは？

メモリアルデーとは、アメリカ合衆国の祝日の1つで、「戦没将兵追悼記念日」（せんぼつしょうへいついとうきねんび）です。

この日は、戦争や軍事行動で亡くなられた米国の男女、兵士を追悼する日です。

毎年5月の最終月曜日です。

2016年は、5月30日です。

メモリアルデーの歴史や背景

南北戦争 （The Civil War　1861～65） の戦争終結の記念日または、戦没者を追悼する日目的で「デコレーション・デー」として挙行されていました。

なぜ「デコレーション」（飾る）というかは、兵士のお墓をお花で飾り追悼する習慣が古代からあり、追悼するという意味で使われていたためです。

第二次大戦後 「メモリアルデー」（Memorial Day） と名称が改められました。

現在では、南北戦争に限らず、戦争によって国のために命を犠牲にした軍人全てを追悼する日となり各地で、現在でも様々な追悼行事が行われています。

いろいろな都市や町がメモリアルデーの発祥の地は、私の場所だと主張していますが、公には、ニューヨーク州のホワイトウォータールーであると1966年にジョンソン大統領によって宣言されています。

メモリアルデーには何をするのか？

メモリアルデーには、午前中の間は半旗が、午後からは、旗を通常の位置に掲げられます。

半旗の意味は、100万人以上の男女がアメリカ合衆国のために戦争で命が犠牲になった事を忘れないためであり、午後から通常の位置に国旗が掲げられるのは、彼らの命の犠牲を無駄にしない事への決意と、全ての自由と正義のために戦い続ける事への決意です。

この日には多くの人達がお墓に行き、戦争で犠牲になった方を追悼します。この時にお墓をお花やアメリカ国旗で飾ります。

最近では、多くの人は、メモリアルデーの週末に、ピクニックに行ったり、スポーツを行たり、両親や子供たちを訪ねたり家族で集まります。

また、日本の終戦記念日のような厳粛なイメージとは違い、パレードやイベントが各地で催されます。これらは、戦争で犠牲になった英雄を称えるという意味合いが強いです。

代表的なものは、ハワイ島パンチボウルの丘（国立太平洋記念墓地）で行われる追悼記念式典です。

パンチボウルの丘とは、7万5千年から10万年前の火山活動によって形成された高台のクレーターです。

古代ハワイで「Puowaina（犠牲の丘）」と呼ばれていました。タブーを犯した罪人をいけにえとして、ハワイ古代宗教の神に捧げる祭壇が高台に置かれていたのです。

第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で母国のために自らを「犠牲」にした4万6千以上の兵士が眠る丘となりました。

普段は静かなパンチボウルですが、一年で一番訪問者が多い特別な日です遺族や軍関係者などが集まり、厳粛な式典があります。

式典では、空軍のＦ22戦闘機がパンチボウルの上空を”Missing Man Formation’（慰霊飛行）’を低飛行したりと圧巻です。

他にも、州によって様々なイベントが行われています。

ＮＹでは、メモリアルデーにあわせ、「フリート・ウィーク・ニューヨーク」という、米海軍と海兵隊の祭典が開催されます。

海軍や米国沿岸警備隊の船舶が参加し、何千もの海兵隊や沿岸州兵がニューヨークに集まる。期間中、イントレピッド海上航空宇宙博物館でも様々なイベントを企画されている埠頭で行われる野外イベントは参加無料だというから驚きです。

初日は、軍艦や護衛艦がハドソン川をパレードする「フリートウィーク・シップ」が開催されます。埠頭から見る船の雄姿は圧巻です。甲板上で映画を楽しむというユニークな上映会やなどが楽しめます。

メモリアルデー当日には、盛大なセレモニーが行われます。

「メモリアルデー・セレモニー」では、100フィートもの巨大なアメリカ国旗を広げ、戦没者に祈りを捧げられます。

また、「メモリアルデーウィークエンドは、夏休みの開始の時期でもあり、本格的なサマー・シーズンに入ります。

軍関係者だけでなく、ハイスクールやボーイスカウト・ガールスカウトの団体なども参加し、沿道には屋台も並び賑やかな雰囲気です。観光で訪れてもきっと楽しめるはずです。

スポーツイベントも盛んにおこなわれます。

例えば、インディアナポリス500は、1911年から続くスポーツイベントとして有名です。決勝は、メモリアルデーの1日前の日曜日に開催されます。

また、メモリアルデーゴルフトーナメントもメモリアルデーウィークエンドの1976年から開催されています。

まとめ

メモリアルデーとは？　アメリカの休日のまとめです。

• メモリアルデーとは
  アメリカ合衆国の祝日の1つ
  「戦没将兵追悼記念日」（せんぼつしょうへいついとうきねんび）と訳される
  戦争や軍事行動で亡くなられた米国の男女、兵士を追悼する日
  毎年5月の最終月曜日
• 歴史や背景は
  南北戦争 （The Civil War　1861～65） の戦争終結の記念日、または、戦没者を追悼する日目的で「デコレーション・デー」が由来
• この日には何をするのか？
  午前中の間は半旗が、午後からは、旗を通常の位置に掲げられ
  お墓に行き、戦争で犠牲になった方を追悼する
  多くの人達がピクニックに行ったり、スポーツを行たり、両親や子供たちを訪ねたり家族で集まる
  パレードやイベントが各地で開催される
  ハワイ島では、パンチボウルの丘の追悼記念式典が開催される
  ニューヨークでは、「フリート・ウィーク・ニューヨーク」という、米海軍と海兵隊の祭典が開催される
  インディアナポリス500がメモリアルデーの前日の日曜日に開催される
  メモリアルデーゴルフトーナメントも週末に開催される

いかがでしたでしょうか？

戦争に自らの命を捧げた男女を国、国民が総力を挙げて称えるというアメリカ合衆国の姿は、国が１つにまとまっているようで感銘を受けました。

一方で、ピクニックに行ったり、スポーツを楽しむ人達が多い点は、メモリアルデーの本来の目的が忘れさられてしまっている事でもあり、アメリカでも人々の生活志向は多様化する一方なのだと思います。

祝日の本来の目的を忘れてしまいがちになるのは、休みを3連休にするために、祝日を月曜日にするハッピーマンデー制度の導入の影響があるとも思います。メモリアルデーはもともと5月30日でした。5月の最終月曜日になった現在、毎年日付が変わるために、この日は何の日だったっけ？となってしまいますね。

とは言え、何でも楽しむことが上手なアメリカ人にならって、やりたいことを楽しむ事が良いのかもしれませんね。