敬老の日の由来　兵庫県の村から始まったって本当！？

「敬老の日」はいつかご存じですか？

ハッピーマンデー制という月曜日を祝日にする制度になってからは、いつか分からなくなってしまいましたね。

実は、敬老の日は、兵庫県のある小さな村から始まりました。そうなのです。とてもローカルなところから始まって、徐々に広がって国民の祝日になりました。

しかし、このハッピーマンデー制の導入によって、趣旨の異なる敬老の日なる日が2つもできてしまった経緯があります。村の思惑と国の思惑が合致しなかったためです。この経緯は、あまり聞く事が少ないため、皆さんにお伝えしたいと思いました。

今回は、まずは、「敬老の日の由来」にフォーカスして、また、「敬老の日とは？」、「この日には何をするのか？」をお伝えして行きます。

敬老の日の由来

敬老の日のはじまりは、1947年、兵庫県の野間谷村（のまたにむら。現在の多可町八千代区）の村長がはじめた「としよりの日」でした。いわゆる敬老会のような集いです。その目的は、「としよりを敬い知恵を借りて村づくりをしよう」というものです。

「としよりの日」は毎年9月15日に行われていました。

9月15日になった理由は、9月中旬は農家の作業が無く、一年の中で最もひまになる時期だからで、さらに気候も良く過ごしやすいからです。

「としよりの日」が出来て14年後の1950年には広島県の恒例行事になり、すぐ翌年には社会福祉教会も手伝い日本全国に急激に浸透していきました。そして「としより」の表現は良くないとの意見が多くあがり、「老人の日」と名を変えられたのです。

野間谷村の村長は、「9月15日の老人の日を、国民の祝日にしたい」と国会へ呼びかけました。そして1965年に国は正式に9月15日を国の祝日に決めました。ただし、「老人の日」でなく「敬老の日」と名を変更しました。

国はその後、2000年に制定されたハッピーマンデー制度の候補に「敬老の日」をあげて、祝日の日付までを変えようとしました。（ハッピーマンデー制度とは、土日につなげて3連休をつくるために、もとある祝日を一番近い月曜日に移動させる制度の事です。）

これに対して村長は猛反対しました。「これ以上、名も日も勝手に変えないでくれ」という事です。

そこで国は、村長に納得してもらうために交換条件を提案したのです。まず2001年に老人福祉法を改正、2002年より9月15日はそのまま「老人の日」として残し、9月15日から9月21日までの1週間を「老人週間」とする事を法で決めました。

こうして、国と村長の双方が合意し、国は2003年に「敬老の日」の祝日をハッピーマンデー制度で9月の第3月曜日へと変更しました。

「老人の日、老人週間」の趣旨は、下記の通です。

• 国民の間に老人の福祉への関心を深める
• 老人が自らの生活向上に努める意欲を促す

「老人の日、老人週間」には各地で老人のための催しものを開催し、まさに敬老会のように集い語り合います。ちなみに、9月15日の「老人の日」は祝日ではありません。　1度は一緒になった「敬老の日」と「老人の日」ですが、もともとあった趣旨を引き継いで別々の日になったという事なのですね。

次では、国民の祝日、「敬老の日」とは？をお伝えします。

敬老の日とは？

敬老の日は国民の祝日で、毎年9月の第3月曜日です。

その趣旨は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」です。

つまり、祖父母だけでなく、近所のご年配の方々にも敬い労りの気持ちを表しましょうという事です。

2015年は、9月21日（月）です。この2日後の23日（水）に秋分の日があり、祝日に挟まれた22日（火）は国民の祝日となり、3連休になります。土曜日からお休みの方は5連休となり、ゴールデンウィークに続いて2度目の大型連休となります。

さて、敬老の日には、もう皆さん何をやるかご存知だと思いますが、最近ならではのお祝いの仕方を次でご紹介いたします。

敬老の日には何をするのか？

敬老の日には、「いつまでも元気でいて欲しい」という気持ちを込めてプレゼントやカードを贈ります。

特に何をするのかという決まりはありませんが、それぞれが贈る方の好きなものを選びます。ちなみに、一般的に人気なのは「飲食品」です。例えばお茶缶やお菓子ですね。おかずの種類が豊富に入った彩り良いお弁当も大変喜ばれています。

最近では、タブレットなどを贈り、お孫さんの写真や動画を送信することや、テレビ電話をして、コミュニケーションをとる方も増えています。おじいさん、おばあさんの楽しみってやはり、孫の顔を見たいことです。直接会えるのが一番嬉しいですが、会えなかったとしても直接テレビ電話で会話が出来るのはとても喜びます。

誰でも一番嬉しいのは、物よりも「大事に想ってくれている気持ち」ですよね。普段忙しくてなかなか、という方もたった一言、「これからもずっと元気でいてくださいね」と伝えるだけでも気持ちは伝わります。

まとめ

敬老の日の由来　兵庫県の村から始まった！？のまとめです。

• 「敬老の日」の由来は、1947年、兵庫県の野間谷村の村長がはじめた「としよりの日」
• 現在は、老人福祉法で、9/15に「老人の日」が指定
• 「敬老の日」は国民の祝日
• 毎年9月の第3月曜日
• 「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」が趣旨
• 2015年は9/21（月）。9/19（土）~9/23（水）まで5連休にも
• 「敬老の日」には、「いつまでも元気でいて欲しい」という気持ちを込めてプレゼントやカードを贈る
• 最近では、タブレットを贈り、会話する人も増えている

いかがでしたでしょうか？

兵庫県の野間谷村の村長がはじめた「としよりの日」の趣旨は、「としよりを敬い知恵を借りて村づくりをしよう」という前向きな物で感銘を受けました。

1人1人の知恵は限られていても、皆の知恵を合わせれば百人力となる考え方と思いますが、このためには皆が謙虚になって協力し合うという姿勢が必要で、都会で暮らす私にとっては「はっ」と思わせる言葉でした。

「おばあちゃんの知恵」とは良く聞きますが、ご年配の方々は、当然の事ながら私達よりも多くの人生経験を積んでいます。何かを教わることが出来たなら大変光栄な事と思いました。この祝日をきっかけにしてこんな会話を弾ませてみるのも良いですね。