スポーツ庁は文部科学省の外局に設置 中学生でもわかる
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生活
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催で注目を集め、マスコミにも良く取り上げられている「スポーツ庁」という行政機関をご存じでしょうか?
スポーツ庁とは何か?出来たらどんな良い事があるのか?いいことばかりなのか?などいっぱい疑問が出てきます。調べてみれば見るほど、複雑で難しかったのですが、誰でもわかりやすくまとめてみる事にしました。
今回は、スポーツ庁とは何か?スポーツ庁のメリットは?スポーツ庁の課題は?また、スポーツ庁はどうあるべきかに関して自分意見を書きました。
スポーツ庁に関して知りたいけどよくわからなかった方は是非参考にしてください。
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目次
スポーツ庁とは?
スポーツ庁とは、文部科学省の外局として2015年10月1日から設置されるスポーツ関連に特化した行政機関です。
文部科学省の外局とは、つまり、文化庁のように文部科学省の管轄の元、外部に庁などとして設置される行政機関の事です。
スポーツ庁は、スポーツの振興や、その他のスポーツに関する方針を総合的に推し進めて行く事が役目であり、業務内容は、次の3つです。
- スポーツに関する基本的な政策を作り考え推し進める
- スポーツに関して関係する行政機関の事務の調整
- 心身の健康の保持増進に役に立つスポーツの機会の確保
現在、スポーツに関して、次のように複数の行政機関でいろいろな分野のスポーツの政策が行われています。
多くのスポーツに関する業務をかかえる文部科学省が中心となっていますが、非常に多くの行政機関がスポーツに関して関わっているのがわかります。
オリンピックの選手強化などは文部科学省、競技場の整備などは国土交通省、障害者や高齢者の健康増進などは厚生労働省のように複数の省庁が担っていた役割、施策を総合的に調整し、政策を推し進めて行くのがスポーツ庁設立の目的です。
管官房長官は記者会見で次のように発言しています。「スポーツ庁ができることによって、さまざまな役割を果たしている関係省庁全体を取りまとめることができる。さらに健康増進や地域の活性化、国際的地位の向上など、スポーツを総合的、一体的に発展させていく意味で極めて大きな意義がある」。と
各行政機関にあるスポーツに関連する業務部署を全てスポーツ庁に移動させてまとめるという構想もありましたが、すでに活動中の機関からの反発や全部スポーツ庁で運営するのは困難などの理由から実現にいたりませんでした。このため、文部科学省の外局としてスポーツ庁を設置する法改正が2015年5月13日の参議院本会議にて全会一致で可決し、成立しました。
そして、スポーツ庁は、文部科学省のスポーツ・青少年局をベースに、内閣府、外務省、国交省、厚労省、経済産業省、環境省、農林水産省の7府省の職員23人を再配置する事により、総勢121人体制で運営して行く事になりました。
現在の文部科学省内部のスポーツ関連行政は、外局のスポーツ庁では2015年10月からは、次のように組織が変更されます。
初代スポーツ庁長官には、民間でスポーツに貢献した方が選ばれる予定です。誰になるか楽しみですね。地域活性化や国民の健康増進なども目的とするスポーツ庁ですが、2020年までは特にオリンピック・パラリンピック対策へ注力されることになりそうです。
スポーツ庁設立のメリットは?
スポーツ庁が設立されることでどのような良いことがあるかを見ていきたいと思います。
2020年の東京オリンピック金メダル獲得数増
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催国としてオリンピック・パラリンピックを盛り上げるには、やはり自国の選手がメダルを獲得するような活躍をする必要があります。
2020年東京オリンピックで掲げている金メダル獲得数は第3位です。2012年のロンドンオリンピックを見ると、1位アメリカ46個、2位中国38個、3位イギリス(開催国)29個、4位ロシア24個なので、約30個の金メダルを獲得する必要があります。
2012年のロンドンオリンピックでは、イギリスは、文化・メディア・スポーツ省を設置し、「メダル獲得」を第一の目的としてエリートスポーツの強化に力を入れ、金メダル獲得数第3位という結果を残しました。
実際、日本は、2012年のロンドンオリンピックでは、金メダル7個でした、日本の過去最大の金メダル獲得数は1964年の東京オリンピックと2004年のアテネオリンピックの時の16個です。ここからも、かなりハードルの高い目標というのがわかりますが、オリンピック開催国として盛り上げるために、スポーツ庁が中心となって活動していくというわけです。
オリンピック強化のためのお金の配分は、従来文部科学省傘下のJOC(日本オリンピック委員会)がすべて決定していましたが、スポーツ庁の設置により、スポーツ庁が配分の決定権をもつ事になります。JOCではお金にまつわる不正がありましたが、新しい庁の設置により、より透明性の高いお金の配分に改善される事が期待できます。
友好・平和の象徴を外交アピール
国際社会において、スポーツは友好・平和を象徴するという側面があります。
この機会にスポーツ庁を設置することで、各省庁を指示、連携する事により、より政策的にスポーツへの取り組みを世界へアピールするとともに、世界との友好を深められるという思惑があります。
優秀な選手の育成・輩出に貢献
スポーツ庁の設置によって、各省庁と連携・調整する事により、より戦略的・実用的なスポーツ関連設備や指導者の充実やお金の援助が可能になります。これまでトップアスリートや1部の競技人口の多い競技団体だけに与えられてきた環境や指導者や補助金を拡大することで、競技人口が少なくても優秀な選手の育成・輩出の機会を増やすことが可能になります。
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まずスポーツに触れる機会を増やし、広く興味関心を持ってもらうことで選手人口の絶対数増加が期待できます。スポーツ人口が増えればそれだけ優秀な選手も増えることになります。
スポーツ庁の課題は?
次にスポーツ庁の課題について見ていきたいと思います。
天下り増大・税金投入増大
多くのニュースサイトや意見からも、新しく省庁を増やす事は「天下りが増えるだけ」、「税金の無駄遣い」などの批判が多いように、財源が必要になります。これは、国民の税金が投入される事です。
スポーツ庁に批判の声が多い理由は、世の中には「スポーツに興味がない」人も大多数いるためです。選手を育成する立場の人にとってはありがたいスポーツ庁の設立も、興味がない人にとってはただの税金の無駄遣いにしか取れない方もいらっしゃいます。意識の差をどう埋めていくかも今後の課題になります。
本当に各省庁を指揮、連携できるのか不明
スポーツ庁設置の目的は、複数の省庁が担っていたスポーツに関する役割、施策を総合的に調整し、政策を推し進めて行く事です。
スポーツ庁として2015年度は約290億円の予算を運営する事になりますが、複数の省庁が持つスポーツ関連の予算はスポーツ庁に行かず各省庁で運営されます。予算を持つ省庁の意見がどうしても強くなるため、すべての予算をスポーツ庁が持たないかぎり、各省庁を指揮するのは困難な事です。
現在、公営ギャンブルを管轄している省庁が次のようにあります。
- 農林水産省:競馬
- 国土交通省:競艇
- 経済産業省:競輪、オートレース
スポーツ庁がこれらを管轄して、予算をスポーツ関連に向けた調整に使うようにしないと指導力は発揮できないでしょう。むろん、現在管轄している各省庁は貴重な収入源になっているため、管轄を手放す事はないでしょうが。
オリンピック後の役割が不透明
スポーツ庁設置の大きな目標の1つにオリンピックに向けた競技強化選手があります。
オリンピックに向けては大きな役割を発揮する事は理解できますが、本来スポーツというのは、1位、2位を争うという派手な見え方をする成果を出すよりも、国民全員が健康維持や促進のために楽しんで長寿になるといような地味な見え方をする成果を出すものであるべきです。
スポーツ庁=オリンピック庁?と新聞社からの批判があるように、オリンピックの役割がほとんど全てのような印象があり、オリンピックが終わった後は、予算が減らされてしまうのでは?という疑問の声が多く、オリンピック後のスポーツ庁は、いったいどんな役割を果たすのか、国民にどう貢献してくれるのかが見えません。よって、スポーツ庁の設立後にオリンピック後の役割を明確に示す事も課題の1つです。
スポーツ庁はどうあるべき?
スポーツ庁はどうあるべきかを自分の意見を書きたいと思います。
スポーツ庁がどうあるべきか、私が思う一番の理想系は、次の通りです。
- 各省庁が扱うスポーツ関連の行政運営を全部スポーツ庁に集結
- 公営ギャンブルの管轄もスポーツ庁が行う
権力とお金をスポーツ庁にまとめるのが良いという事です。
これが実現出来るとスポーツに関して優秀な選手の育成から高齢者の健康維持まで幅広く、一番公平にかつ適切に予算の支出が可能になると思います。今回のスポーツ庁では実現出来ていないため、一定の役割は果たすものの、効率的、公平的に実現できないと思います。理由は、必ず物事を決定する時は、予算を豊富にもつ省庁の考えに傾いてしまうため、公平や適切な予算の支出が可困難だと思うからです。
今回、スポーツ庁設立にあたって、オリンピック強化費の予算の使い方の決定権は、JOC(日本オリンピック委員会)からスポーツ庁に移動しています。これはより行政機関の意志が反映される事になり、スポーツ庁が公平な判断が出来るか責任は重大ですが、今まで多くあったJOCの不正を防止でき、より公平な対応が可能になるため、この点は評価できると思います。
しかし、やはり「オリンピックのメダル獲得のために作りました」という目的しか現在見えませんので、それだったら、オリンピックや国際大会でのメダル獲得だけを目的に特化させた「スポーツ選手強化庁」などを設置すればよかったのではないかと思います。
10月に設立されるスポーツ庁は目的や役割が広すぎて中途半端です。 部分的に効率的な統合、協力、調整はあるでしょうが、やはり目的が明確じゃない中途半端な物は費用対効果は低く、結局、天下りの増加や税金の無駄づかいになるだろうと考えます。
まとめ
スポーツ庁は文部科学省の外局に設置 中学生でもわかる のまとめです。
- スポーツ庁は、文部科学省の外局として2015年10月1日から設置されるスポーツ関連に特化した行政機関の事
- 役目は、スポーツの振興、その他のスポーツに関する方針を総合的に推し進めて行く事
- 業務内容は次の3つ
① スポーツに関する基本的な政策を作り考え推し進める
② スポーツに関して関係する行政機関の事務の調整
③ 心身の健康の保持増進に役に立つスポーツの機会の確保 - スポーツ庁の組織構成
-政策課
-スポーツ健康推進課
-競技力向上課
-スポーツ国際課
-オリンピック・パラリンピック課 - スポーツ庁設立のメリット
① 2020年の東京オリンピック金メダル獲得数増
② 友好・平和の象徴を外交アピール
③ 優秀な選手の育成・輩出に貢献 - スポーツ庁の課題
① 天下り増大・税金投入増大
② 本当に各省庁を指揮、連携できるのか不明
③ オリンピック後の役割が不透明
いかがでしたでしょうか?
スポーツ庁設立に関しては、いろいろな批判、意見、期待があると思います。
2015年10月に設立し、まずは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて競技選手の育成・強化を行い、世界第3位のメダル数を取る事が目標なので、達成できるように役割をはたして欲しいと思います。
目標を達成するためには、課題である各省庁との協力や連携を取り指導力を発揮する事が出来るか重要です。もし、目標を達成できれば、オリンピック以降もすばらしい指導力を発揮出来る可能性があると考えています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催後が本当のスポーツ庁としての「はじまり」なのだと思います。
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